【学会レポート】第17回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(JPCA 2026 KYOTO)に参加しました

2026年5月29日(金)〜31日(日) / 国立京都国際会館

本文中は敬称略とさせていただきます。

2026年5月29日から31日にかけて、「つながる、つなげる。つなげる、つながる。」をテーマに掲げた第17回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(JPCA 2026 KYOTO)が国立京都国際会館で開催されました。

MINNAからは弓野綾・高橋香・岩本あづさ・ファム・グエン・クイー・沢田貴志が登壇者として参加し、ジョイントプログラム、シンポジウム、ポスター発表を通じて外国人医療に関する実践や研究成果を発信しました。また、書籍展示ブースでは『総合診療』特集号「外国人診療Q&A」のお披露目を行い、さらに今秋の京都での地域連携セミナーに向けた企画会議も実施しました。

■ セッション① ジョイントプログラム

プライマリ・ケア現場で出会う外国人患者対応に役立つ実践知:大きな安心につながる工夫と取り組み

学会ジョイントプログラム10 with 日本国際保健医療学会 / 第6会場

座長:木戸友幸(愛港圏診療所)、武田裕子(順天堂大学大学院)

日本国際保健医療学会との共催ジョイントプログラムとして開催されたこのセッション。「ことばや文化の違いを越え、安心につながる実践知をともに学ぶ」をコンセプトに、MINNAのメンバーを含む6名が登壇しました。

高橋香(IOM)は、在留資格・労働環境・言語バリアなど健康格差を生み出す社会的要因について報告しました。岩本あづさ(国立健康危機管理研究機構)は、外国人医療の複雑さを整理するとともに、「反うわさ戦略」の考え方を紹介しました。弓野綾(横浜市寿町健康福祉交流センター診療所/東京大学大学院)は、制度・言語・心理的な壁を外国人住民とともに乗り越える実践について報告し、ファム・グエン・クイー(京都民医連中央病院)は、医療者と患者双方の歩み寄りの重要性について自身の経験を交えて発表しました。

このほか、座長の武田裕子(順天堂大学大学院)も「英語でなくていいんです『やさしい日本語』」と題して発表し、「やさしい日本語」の実践的有効性を示しました。「多様な人と、つながる力が、医療を強くする」というメッセージのもと、異なる立場からの実践知が交わる充実したセッションとなりました。

ジョイントプログラムでは、外国人患者対応に関するさまざまな実践知が共有されました。

■ セッション② シンポジウム38

外国人協働社会における実践型感染症対策と健康支援 ― 外国籍住民・海外渡航者のために

国立京都国際会館 別館1階 Annex Hall 2

座長:来住知美(日本バプテスト病院 総合内科)、中山久仁子(マイファミリークリニック蒲郡)

感染症対策と健康支援の実装をテーマとしたシンポジウムに、MINNAの沢田貴志(港町診療所)が登壇しました。

沢田は「外国人感染症患者の治療アクセスとその支援」と題して、外国人が感染症治療へアクセスする際の制度的障壁や、現場での支援実践について報告しました。保健所・診療所・病院・大学院など、多様な立場から外国人医療について議論が交わされる機会となりました。

感染症対策と健康支援をテーマに、外国人住民への医療アクセスや支援体制について議論が行われました。

■ ポスター発表

外国人診療の質向上を目指したプライマリ・ケア従事者向け異文化体験型ワークショップの取り組み

MINNAおよびMiCaN(ともに創る外国人のケアネットワーク)のメンバーは、一般演題ポスター発表として「外国人診療の質向上を目指したプライマリ・ケア従事者向け異文化体験型ワークショップの取り組み」を発表しました。

本発表では、外国人当事者・支援者・医療従事者がともに学ぶ体験型ワークショップの取り組みを紹介しました。2023年から2025年にかけて北海道、関東、中部などで計5回開催し、延べ250名以上が参加しています。

発表当日は多くの参加者が足を止め、外国人診療に関する教育手法や地域連携について活発な質疑応答が行われました。外国人医療への関心の高さと、現場で活用できる実践的な学びへのニーズの大きさをあらためて感じる機会となりました。

発表後には多くの参加者との活発な意見交換が行われました。

■ 『総合診療』特集号「外国人診療Q&A」のお披露目

総合診療 2026年6月号 Vol.36 No.6(医学書院刊)

特集:外国人診療Q&A ― 日本に暮らす外国人のライフステージと健康

企画編集:弓野綾、高樹喜代子、藤田雅美

学術大会の会期中、会場の書籍展示ブースにて本特集号がお披露目されました。MINNAのメンバーや連携する実践者・研究者が各論考・事例報告を執筆し、「共に生きる社会へ」をテーマに外国人住民の健康課題と総合診療の実践を多角的に特集しています。

参加者からも多くの反響があり、その場で手に取っていただく姿も見られました。みんなで一緒に紹介できた喜びを感じる場面でした。

企画編集や執筆に携わったメンバーも集まり、完成した特集号を紹介しました。

■ 今秋 京都で「地域連携セミナー」を開催予定!

時期:2026年10月頃(予定)

会場:京都

内容:地域の多職種・行政・支援団体が「つながる」場をつくるセミナー(詳細は今後発表予定)

学会の機会を活かし、京都在住・在勤のMINNAメンバーも交えて企画会議を実施しました。「外国人と共に地域をつくる」をテーマに、医療・保健・福祉・行政・外国人コミュニティが横断的につながる場づくりについて意見交換を行い、今秋の京都での地域連携セミナーに向けた準備を進めています。

開催日時・参加申込などの詳細は、決まり次第MINNAホームページおよびSNSでお知らせします。ぜひお楽しみに!

学会期間中には、今後の活動に向けた企画会議も行われました。

■ おわりに

「つながる、つなげる」という大会テーマが示すように、今大会はMINNAにとっても学びと出会いの場となりました。

学術の場で外国人医療の実践知を発信し、仲間とともに書籍を紹介し、そして次の企画を動かす――そのすべてが「つながる」ことから生まれています。

今後も現場・研究・教育・政策をつなぐ活動を続けていきます。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

JPCA 2026 KYOTO:https://jpca2026.jp/  

MINNA:https://minna-health.com/

(文責:MINNA事務局)

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